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頼むっ!日付だけでもいい、記録を残してくれ

頼むっ!日付だけでもいい、記録を残してくれ

役付者にとって、みんなの仕事が滞りなく進んでいるのか、それを把握しよい方向へサジェストすることが仕事の大きな部分を占めます。少人数でやっているのであればひとり一人聞いていけば住みますが、大人数となるとそれは時間が許しませんし、こちらの頭もそんなにメモリの容量は大きくなく、ひょっとすると老化という名の自然現象で脳のメモリの使える領域はむしろ若手より劣っているかもしれません(ちょっと余分な話)。

サラリーマンにとっての最大のミッションは、与えられた役回りを全うすることです。ざっくりおおざっぱにぶった切ってしまえば、営業は営業実績を、内勤は正確で素早い事務処理がミッションです。

内勤者は持ち込まれた書類を正確に、そして早く処理をするということでやることが既に物として存在しています。それが進んでいるか否か、その持ち込まれた物をみれば一目瞭然です。難しいのが営業職。基本的にお客さんがある話なので、こちらの都合だけで仕事が進みません。交渉ごとはiPhoneのSiriが録音しているわけではありませんし、仮にあってもそんなもののんびり再現再生している時間などありません。役付者としてはみんなの日々の行動から状況を読み取らなくてはいけません。行動が声に出る人であれば楽なのですが、そうではない人もいます。人それぞれで、細かく声に出る、出ないにいいとか悪いとかはありません。出してくれるにこしたことはありませんが、声に出すということは人にとって存在感を示す大きな部分ですから、そこのところをどうこう言うのは人格そのものに言及しているような気がするので避けています。

だから、お願いだから、ログをつけてほしい

ログという言い方を組織のなかで口にすることはありません。ログといっても???な顔が帰ってきます。Lifehack界隈の人でないとログという言葉は予想以上に通じないものです。つまり、交渉の経過を記録に残してほしいのです。

営業のミッションはとても細分化されています。項目数がもう頭では数えきれないぐらいあって、全部を何も記録なしにやろうとするなんてことは到底考えられません。しかし、記録をすること自体は何の成果も生まないこともまた事実です。なれている人にとって記録を残すことは何をそんな大げさにと思われるかもしれませんが、書き残すということになれていない人にとってはその時間の意味することが理解できていないのです。ここに伝える側と、伝えられる側の差が如実に現れます。

年度末が近づくにつれ、各案件の現状がどうなっているのかの把握は普段よりもシビアになります。四半期でもそうですが、年度末は繰越しができません。もちろん、お客さんとの取引は年度単位ではありませんから、年度内に出来あがらなくても翌期に持ち越せば何も問題はありません。しかし、予算の達成がギリギリの時点で最後の最後に繰越しが発生すると全ての予定が狂います。それは避けなくてはいけません。

一方で、年度末などの時期に関わらずお客さんとの話は今どの段階にあるのかを同僚へ知らしめるのも組織人の仕事のかなり大きな一部です。みんながみんな、月末の日に予算どおりこなせるならばその必要はありません。そんなスーパー集団だったら、自分の仕事が今どのような状況にあるのか知らしめるだけ時間と労力の無駄ともいえます。

しかし、僕たちはそんなスーパーマンではありません。自分のとっている行動が正しい、少なくとも悪い方向へ向かっていないか、誰かなにかいい方法知ってたら教えてほしいと思っている小さな存在であるはず(少なくとも、僕は)です。

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なぜ伝わらない?

役付者ですので、後輩の仕事がどのような状況なのか把握する、いや把握している必要があります。そのためにはひとり一人と話をすればよいのですが、大人数相手にそれをやっていては時間がいくらあってもたりません。だからこそ、記録を残してほしいのです。細かいことが書いてなくてもいい、お客さんのところに行った日付だけ、会えたか会えなかっただけでもいいから記録が残してほしいのが役付者としての僕の偽らざる願いです。それをみながら、何をどうサジェストすればベストなのか察知することができます。

しかし、記録を残すことはやったことのない人にとっては相当な苦痛を伴うもののようです。記録を残すこと自体が営業成績を上げるわけでもありません。それよりも次から次へと降ってくる仕事に対処することが最優先になってしまって、気がついたら忘れていたということがいくらでもあります。Lifehack界隈の人たちならばログを残すことに日夜創意工夫を繰り返しますが、そもそも記録を残すことを経験したことがない人にとっては、ただの余分な、それもそれ自体が成果を生まない仕事が増えたに過ぎません。余分な仕事が増えたと思われているようでは、進んで記録を残そうと誰も思いません。

昨日も帰り際に、えっ、初めて聞いたけどということがあったので、今日は朝からどうして記録を残そうということが伝わらないのかずっと考えていました。気がついたら紙に書き出していて、トニーブザンがみたら怒られそうながらもマインドマップみたいなものを書いていました。説明方法が悪いのか、書いている時間がないならどうすればその時間を作れるかを考えたものが上の写真です。

記録の効果を示してあげないと

急がば回れというように、確実にやるべきことをこなそうと思ったら並行して行っていることを一旦記録として横によけておいて、それから次のことをやった方がもう一方のことを気にせずにすむから仕事が捗ることはほぼ間違いありません。そう思っているからこそ記録を残してといっているのですが、それが伝わらない。やったことがない人にとって、それをやるとどう変わるのかがわかるようにしなくてはいけません。

しかし、記録を残すといっても大したことをやっているわけではありません。僕の場合だったらモレスキンのノートにちょちょっと書いたものであったり、今からやるもののコマ数を考えるようなことだったらゴミ箱の紙を伸ばして手順を書き出してみたりといった、みてくれオーラがこれでもかって出るようなものではなくて、至って地味で目立たないことばかりです。

やってみせるのがいいのかと考えて、みんなから聞いたことをお客さん別に紙に書いて残したこともあります。今日は行ったけど誰にも会えなかったという場合も、案件から気が遠くならないようにすることが目的ですから日付だけ書いてみたりしてやってみました。それを渡して毎日パラパラめくってみなといっても、あくまで僕が記録に残す必要があると思っていただけで、それを自分たちがやった方がいいんだと思わせるには、やってみせることは全く及びませんでした。

トラブル回避ー人によって違う時間軸

記録に残すことはトラブル回避の目的も大きいです。いろんなことをやっていれば、いつの間にか案件に気が向かなくなってしまうタイミングは誰にでもあります。僕たちにとってその他多くのなかの1つでも、お客さんにとっては1/1であるケースが多々あります。やることがいっぱいある僕たちと、この案件に最大の関心を寄せているお客さんとでは時間の長さが違います。その件は次回お邪魔したときに、といってお客さんのところを出てきても、こちらは1週間後ぐらいかなと思っていてもお客さんは2〜3日の間と思っているかもしれません。そういった場合はトラブルになりやすい。トラブルとまでいかなくても、初動段階での時間感覚のずれはこちらを一気に劣勢にたたせます。対応が少しだけ遅かったということが、その後の交渉に悪影響を与えてしまい、お互いによい結果を招きません。

そういったことも、日付とちょっとしたことが一言二言書いてあれば、代理対応したり持っていくものをこちらで用意してすぐにでも対処することが可能になるかもしれません。

日頃からコミュニケーションがよければそんなことは必要ない、の誤解

風通しの良い職場作りを、とは役付者の講習では必ず出てくる言葉です。トラブルのケーススタディでも役付者が気がつくのが遅かった。日頃から風通しのよい職場作りをしていれば云々、耳にタコができるぐらい聞かされたことです。

当然、日頃からコミュニケーションがよい職場作りを心がけるのは、余分に給与をもらっている役付者に与えられたミッションです。いつでも話し合いができればそれに超したことがありません。しかし、いくらコミュニケーションがあったとしても、どの段階でトラブルになり始めたのかはそれが顕在化したときに初めて気がつくことであって、それ以前に発生の要因となるようなことがあった場合がほとんどです。もちろん、お客さんへの接し方を間違えたという場合は即その場でトラブルになりますが、多くは潜在的にくすぶっていたものがある日突然トラブルというシグナルに変わっただけに過ぎません。これはコミュニケーションがよくとられていても発生する可能性をゼロにすることはできません(少なくできるケースはあると思います)。

ここでも、やはり記録が頼りになります。こことここの間の日にちが空きすぎていた、このときにこれは言い過ぎた、また伝えることに不足があったなど振り返って、その軌跡をみながら対処することができます。記録がないとまずはこれまでどう対応していたのかを思い出すところから始めなくてはいけませんので、初動がここでも遅くなってしまいます。

 

記録を残してほしい。これは役付者が楽をするためのエゴかもしれません。先も書いたように、記録を残すこと自体は何も生産的なことではありませんので。しかし、自分たちの持ち時間の投下を極力少なくして大きなパフォーマンスを得ようということは、今の時代誰もが考えなくてはいけないことです。昔のように、残業することが善であるという時代ではないのです。少しの遠回りが、自分の残り時間を増やしてくれる、もっとも、会社を離れた時間に何をやったらいいのかわからないならそれをどうするかから考えなくてはいけなくなりますが、それを理解してもらうにはどうしたらよいのか。解決策の糸口が掴めません。

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