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人が動いているものをみた記憶と瞬間の時間ー写歩ろで「撮り鉄」やってきました

人が動いているものをみた記憶と瞬間の時間ー写歩ろで「撮り鉄」やってきました

大学の後輩が先生をしている写真サークルで撮り鉄してきました。ここのところ週末になると雪が続いていましたが、2月23日はとてもいい天気。風景写真を撮るには絶好の写真日和でした。

場所は名鉄名古屋本線、西枇杷島駅。1つ名古屋側の駅で犬山線と分かれ、数駅向こうでは本線と津島線が分かれとひっきりなしに電車がやってきます。急行は停まりません。

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これがホームですから。駅舎を撮影し忘れてしまったのですが、木造で、簡単な言葉で言ってしまえば「古き良き」という表現でいいのかな。のどかな名古屋郊外の小さな駅です。

ただ、電車を撮るだけではなくて…

子どもの頃から電車の写真を撮るのが好きで、中学のときだったかにも写真を撮りに行った記憶がよみがえります。当時はデジタルカメラなんて想像にもなくて、もちろんフィルムのカメラで撮影。今のデジカメのように撮影したすぐ後にどんな出来栄か確認するなんてことはできません。写真屋さんにフィルムを持っていって、後日現像したものをもらいに行くときはワクワクしました。

でも、子ども心に一生懸命撮った写真は印画紙を目一杯に撮った電車だけにいつもなっていました。同じ電車が走っていたら別にここである必要はないよねというぐらい、どこで撮影したのかも分からないぐらいの電車の存在感。それがちょっとショックだったことも懐かしいお話です。

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こんな感じで、電車のカタログじゃないんだから…。

人の記憶ーそれは1/250秒の瞬間なのか

人が感じる動いている電車を頭の中で再現すると、「あっ、電車が来た来た」と認識したときから通り過ぎるまである程度の時間を要します。電車に主眼を置いていると数秒はあるでしょう。時を経て記憶が薄れてきたとき、「あっ、あのとき電車が来たな」というものは恐らく数秒の記憶ではなく、その数秒の中の自分が納得した瞬間に切り取られている、または圧縮されているような感じがします。頭の中で思い描くベストショットが1枚記憶にあるだけです。

写真は瞬間です。しかし、瞬間とは便利な言葉で定量的な言葉のようで実はそうではありません。1秒だって瞬間でしょう。カメラ的な表現でいけばシャッタースピード1/250秒でも瞬間ですし、1/2000秒でも瞬間です。

例えばこの写真は走っているところを撮影したものです。1/250秒で撮影していますので拡大するとぼやけが気になりますが、パッと見たところでは「動いている電車だよ」といわれても納得するでしょうし(例えば駅のホームがないから停まってないでしょ、普通という考え方もある)、「停まっている電車だよ」といわれればそれはそれで疑問はなさそうです。

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だけど、この写真を撮影した僕には間違いなく「動いていた電車」という記憶があり、停まっているとも動いているともとれるような記憶ではないのです。線形的、非線形を問わず連続しているものは1/250秒の中にも動きがあり、1/2000秒の中にも動きがあって知覚の記憶では動いていなくても残像効果の記憶が(別に)あって、それが重なりあって動いていると理解(記憶)しているのでしょう。

瞬間の時間ー瞬く間の中の動き、残像効果

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この写真は1/40秒の瞬間(知覚+残像効果)を切り取ったものです。確かに電車は動いています。しかし、背景に特徴だったスポットがないこの写真の場合、電車の撮影としては失敗です。電車に残像効果を持たせてしまうと、写真では電車の知覚があやふやなものになってしまいます。

そこで、知覚を電車にあてて、背景に残存効果を入れて表現するのが流し撮りです。僕に撮っては未だとても難しい技術です。

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これは1/50秒のシャッタースピードを設定し、電車の動きにあわせてカメラを横にスライドしながらシャッターを切ったものです。

人にお見せできるレベルのものではないので恐縮なのですが、背景に残存効果があり、電車は知覚で「あの電車だ」とわかるようになっています(自分ではそのつもりなのですが、如何せんヘタなので電車にもブレが出ています、ご了承ください)。

瞬間=瞬く間にも時間は平等に過ぎ去っている。それを表現するのが流し撮りと言っていいでしょう。流し撮りはテクニックで、手法としてはあからさまかもしれません。夜空やネオンを撮影するときは数秒単位でシャッターを切り続けますが、普通に写真を撮っていれば数百分の1秒、数千分の1秒があたり前です。その数千分の1秒の過ぎた時間をしっかりと写し込めることができた写真が、いい写真なのかもしれません。

今回の提出作品ーそれは失敗作

さて、写歩ろは毎回好評会があって、その日の別との1枚を参加したみんなにみてもらいます。今回はこちらの1枚です。

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さてこの写真。電車の撮影を目的としていったわりにはあまりにも電車がはっきりしなさすぎです。これは本当に失敗作なんです。なぜかというと、踏切がなっていて電車がくることはわかっていたのですが、なぜか反対側からくると思っていてそちら側は道路の高架橋で暗かったのでシャッタースピードを遅く(瞬間が長い)、絞りを明るく設定していたのですが、電車の音が後ろから聞こえてきたので慌てて振り向いて撮影した1枚です。

予定していたよりも明るいので(いわゆる)白トビしてますし、振り向くのが精一杯で流し撮りどころではありません。

でも、ちょうどいい具合に右側に子どもが写っていました。拡大すればシャッタースピード1/13秒ですので子どももぶれているのですが、静態している人が写っているおかげで、それに加えて電車が白色ベースだったので白トビとがうまく重なって「スピード感あふれる(?)」1枚になったと思います。

シャッターを押したときははっきりと「失敗した」と自覚しましたが、液晶モニタをみたときには今日の提出はこれが第1候補だなって思っていました。この写真は撮影時間のわりと早い方で撮ったもので、構図とか流し具合とか難しいことを言えばもう少しうまくとれたものもあったのですが、これに勝るインパクトを僕に与えた写真はなかったんですよね。

結果オーライの典型的なものですが、たまにはこういうものもいいよねっ!




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