すみません。
よく口にする言葉ですね。よく使う言葉なんですが、使い方が2パターンあるような気がします。
- (時間に遅れてしまって)すみません。
- (今日はきていただいて)すみません。
1.は謝罪ですし、2.はお礼です。両方とも、相手に対して経緯を表している使い方だとは思うのですが、謝罪のつもりでいったことがお礼にとられることはあまりなさそうですが、お礼のつもりでいった「すみません」が謝罪にとられることはありえない話ではありません。謝罪は当方の非を認めることになりますから、お礼のつもりが一転、こちらに非があると言ったじゃないかととられかねません。
「すみません」とは本来どういう意味なんでしょうか。
辞書を引いてみると
相手に謝るとき,礼を言うとき,依頼をするときなどに言う語。しばしば感動詞的に用いられる。「ご迷惑をおかけしてどうも―でした」「ご出席いただいてどうも―でした」「―が鉛筆をとって下さい」「―,書籍売り場は何階ですか」「―が道を教えていただけますか」〔「すまない」の丁寧な言い方。くだけた言い方としては「すいません」となり,より丁寧には「あいすみません」ともなる〕 →すまない・申し訳ない
iMacに入っているスーパー大辞林より引用
photo credit: psd via photopin cc
なるほど、両方ともとれる意味があるようです。
しかし、元の言葉は「すまない」で、「すみません」はその丁寧な言い方となっています。
「すまない」とは
相手に悪いと思っているさまをいう語。謝罪謝礼依頼などの場合に,同等あるいはそれ以下の相手に対し用いる。申しわけない。「苦労をかけて―◦ないね」「君には大変―◦ないことをした」「―◦ないけどライターを貸してくれ」〔「すみません」よりもぞんざいな言い方〕 →すみません
引用元は、同上
すまないは連語で、「済ま」+「ない」なんですね。
こちらは、ほぼ謝罪の意味だけの印象です。しかしよくみると「すまない」は「すみません」よりぞんざいな言い方とありますから、謝罪に対してぞんざいな物言いはできませんから、必然的に「すみません」を選択することになってしまいます。
「すみません」は謝罪にもお礼にも使えますが、元の意味の「すまない」は謝罪ですので、「すみません」は、はっきりと使い分けた方がよさそうです。
僕、今「すみません」っていわれたけど、なんか謝られるようなことあったっけ?
こういう考えをもつこと自体が「お前は奢ってる」といわれてしまいそうですが、みなさんも気にしてみると同じように思われることって結構あるのではないでしょうか。もし、言っていただいた方がお礼のつもりでおっしゃられたのなら、このように考えてしまうのはどこか勘ぐっている感があって、すっきりしないものです(これは完全に、僕個人の印象)。
お礼には「ありがとう」と決めておこう
みなさん、何かを誰かにやってあげたときに言われる言葉として、「すみません(でした)」といわれるよりも、圧倒的に「ありがとう(ございます)」って言われた方が印象がいいですよね。数多ある人生本にも「ありがとう」という回数を増やそうとかありますし(人生本はあまり読みませんので、本の表紙からの僕個人の印象です)。
ありがとうは感謝の意味ですので、あからさまに感謝を表することへの照れ隠しで「すみません」って使ってるような気がします。または、どちらともとれるということで、言葉の選び方の簡単さとして「すみません」を使っているのかもしれません。
もし、簡単さで「すみません」を使っているならば、それはやはり「ありがとう」に使い変えた方が、相手にストレートに感謝の意を表せます。誰だって「ありがとう」といわれて悪い気はしません。想像してみてください。「すみません」といわれるのと、「ありがとう」といわれるのとでは、どちらがうれしいですか?
「すみません」が招く、後々の問題
言葉は人の記憶、心に自分の気持ちを伝える音声手段です。ですが、こちらが発した気持ちが今後もストレートな意味で記憶に、心に残っているとは限らないことも事実です。時間がこちらの気持ちをゆがめてしまうことがあります。
何気なく「すみません」といったことが、後々になって「あのとき非を認めたじゃないか」と揚げ足を取られることも考えられます。こうなれば「言った」、「言ってない」の世界ですのでその「すみません」がどちらだったのかを断定することは誰にもできません。このダメージは、タフなネゴシエーションになればなるほどジワジワとお互いに効いてきます。それも反対方向に。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます
「最後までお読みいただきまして、すみません」
「最後までお読みいただきまして、ありがとうございます」
どちらの言葉をかけられたら、この記事を読まれたみなさんによりよく記事の内容が焼き付くでしょうか。僕は後者の「最後までお読みいただきまして、ありがとうございます」とあった方が、印象に残ると思います。
ということで、
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
コメントを残す