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親の影響度 上司の影響度

親の影響度 上司の影響度

話題の予備校講師、林修さんのお話を聞く機会に恵まれました。数回にわけて記事にしていきたいと思います。

勉強しなさいに意味はない

誰しも言われた覚えがある言葉、「勉強しなさい」。この言葉には意味はないそうです。勉強をする子は、そんなこと言われなくても自ら勉強をしている。自分がどうであったか顧みるのは怖いのでやめておきますが、何となくわかります。そして、それが現実にならないから困ってるんだよ、という声も聞こえてきそうです。では、どうすれば「言われなくても勉強する子」になるのでしょうか。

5歳までが勝負

林氏が言うには、0歳〜3歳までが右脳が発達する時期、3歳〜5歳は左脳が発達する時期でここで言語や論理を覚えるそうです。よく子どもが「なんで?なんで?」って聞きますよね。それが3歳〜5歳の時期にあたります。そのなんで?をしっかりと受けとめて、一緒に調べてあげる、そうすることで学習することを学ぶそうです。

この0歳〜5歳までが肝心で、この時期は親の影響が強い時期です。それ以降はどんどん親の影響度が下がっていきます。それが自立でしょうか。

この影響度が高いうちに、絵本を読み聞かせてやったり、一緒に調べたり音楽を聴いたりすることが大切だそうです。グラフにするとこんな感じです。

Graph

 

年齢を重ねるにつれ、親からの影響度はどんどん低下していきます。そして、実際「勉強しなさいよ」といわれるのは小学生の後半から高校生ぐらいまでですので、ちょうどグラフの一番低い時期にあたります。おまけに反抗期がこのどこかに加わりますから、「勉強しなさい」はますます効果なし、ひょっとすると逆効果かもしれません。

おもしろいのが、この親の影響度は大人になると再び上昇することです。紆余曲折を経た子どもも大人になり、人の親になると子育てのことや、仕事のことで再び自分の親から影響を得ようとします。

上司の影響度に利用できないか

ここで考えたのが、この曲線を仕事でうまく使えないかということです。この世に生をもってからみても、会社に入り仕事を始めた少し後は曲線が上昇局面にあたります。そしてもう1つ。会社に入った時を0歳とすると、最初の3年間が一番他人からの影響度が高い時期にあたります。わけて考えてみましょう。

入社〜3年目ぐらいまで

志し高く入社してきたばかりの新人は、とにかく仕事を覚えようと意欲が高い時期です。先輩、上司の言動から仕事を覚えますし、OJTとして指導も受けます。この時期によい先輩、上司に巡り会えば新人もどんどん吸収し、仕事を覚えることができるでしょう。反対に、あまりよい人にあたらないと「なんだ、こんなもんか」と思ってしまい、仕事をなめてしまうようになるかもしれません。

当然会社の中には入社後数年経っていて、上のグラフで言う影響を一番受けない時期の人もいるわけで、その人たちが影響を受ける度合いは低くてもよい人たちであればいいのですが、影響を受ける度合いが低い上に、言動もよいとは言えない人がいると、新人に悪影響を与えかねません。

4年目〜しばらくの間

この時期は他人からの影響を受けにくい時期です。ある程度仕事を覚えて自分のやり方を確立していく時期でもあります。逆にこの時期になっても指示を仰がなければ行動できない人は、残念ながらあまりよい入社〜3年目を過ごせなかったと思ってよいでしょう。

この時期は仕事で実績が必要になる時期です。そのために「あれをやれ」、「これをやれ」ととにかく追われますが、言われなくてもやれる人はやってしまうのです。こちらが求めている内容に程遠いときに「なぜか?」と聞いても答えは出てこないのが普通に思います。そうなったら手遅れですが、手遅れでほかっておいても会社としてはただのコストになってしまいますので避けなければなりません。

問題はこのような状態になっている人を入社〜3年目ぐらいまでの人に見させてはいけないことです。反面教師になることも先輩である手前できないでしょう。そうすれば、人間易きに流れますので染まってしまいます。人材育成の悪循環が発生してしまいます。

結論は、みんなが向上心を持つこと

これでは身も蓋もないと思われてしまうかもしれません。しかし、組織が、人財がよくなるのはそこに組み込まれて構成している人一人一人が向上心を持ち続けなくてはいけないのです。幸いにして基本新卒型の会社は即戦力を求めていません。戦力に早くなってほしいと思っているだけです。そして戦力になった後も爆発的な成長を期待はしていません。もちろん、それがあれば組織にも本人にとってもハッピーなのですが、そうは問屋が卸しません。

最近の言葉で言えば、この状態はダイナミズムさに欠けるといわれるかもしれません。確かにダイナミズムは欲しい、飛躍的な発展は欲しい。ところが1,000人規模の会社で数名が飛躍的な活躍をしたところで、その組織の飛躍にイコールにはなりにくいのです。出る杭はどんどん出ればいい。だけど、目立たないけど、少しずつ杭をだしていく人が1,000人いれば、そちらの方が組織の活性化につながると思います。

プリンタへの往復が1回減らせた、最初はそんな感じでもいいので、どこかしかで向上心を持ち続けること。子どもも大人も、それが一番大切だと思います。

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