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伝える、に関するエトセトラ 電話で聞こえるあなたの声は?

仕事のみならず、プライベートにおいてもトラブルはつきものです。僕の新しいところでは車のエンジンがかからなくなるという今では稀なトラブルに見舞われました。こういった機器関係のトラブルは人:機器なので、それ専門の業者さんに修理をお願いすることになります。

一方で、機器以外のトラブルで圧倒的に多いものは人:人(々)によるものです。つまりはコミュニケーションに起因するトラブルです。
 
1:1であるのになぜかトラブルに発展する確率が高い(と思われる)のが電話によるものです。電話は自分と電話の向こう側の相手との1:1のコミュニケーションであり、コミュニケーションの手段としてはシンプルな方になります。しかし、電話でのトラブルが後を絶えないのはなぜでしょう。
 
電話におけるコミュニケーションの特徴として、相手の顔をみることができない点があげられます。コミュニケーションは声と声のやりとりではなくて、気持ちと気持ちのやりとりです。対面のコミュニケーションと比較して相手の声しかわからないことは圧倒的に情報量が少なくなることです。これが電話でトラブルを招く大きな要因と思われます。 

声という情報のみに頼るならば、その声はどのようなものか

今あなたが話をして、あなたに聞こえている声は耳から聞こえてくるものだけではありません。話すときに動く顎の動き、のどの振動、唇のこすれ具合など、聴覚だけではなく体のある部分が動くことで体が感じることと総合してあなたに聞こえています。まだフィーチャーフォンが全盛だった頃にお年寄り向けに骨伝導携帯(電話)というものがありましたが、これは聴力が弱くなっているお年寄りでも携帯電話の通話がうまく聞き取れるように、頬の骨に振動を与えることで聴力を補完したものでした。今では骨伝導ヘッドフォンなどがあります。

あなたが聞いているあなたの声は、音だけではなく振動を感じるといった様々な感覚で体全体で聞こえている声なのです。

では、電話の相手にあなたの声はどのように聞こえているのでしょうか。

あなたが聞いているあなたの声とは違い、顎の動き、のどの振動、唇のこすれ具合など、音になっていないものは相手にはまったくわかりません。マイクとスピーカーという音声圧縮と増幅を経てはいるものの、相手に聞こえるあなたの声は、振動も何もないタダの音にすぎません。自分にとっての声と相手にとっての声は、まったく別もの、いや同じ土俵で考えることが不可能なことかもしれません。もちろん、これは電話に限らず対面で話をしていても同じことにはなるのですが、視覚情報が得られない電話においては特に強調しておいた方がよい側面です。 

自分の声を録音してみる

生のあなたの声を、耳だけで聞くことは誰にもできません。それはあなたの顔はあなたの目に直接映らないのと同じことです。顔を見るためには鏡を使います。それと同じようにあなたの声も、何かを媒介しないことには音としてあなた自身が聞くことはできません。残念ながら顔を見ることは鏡を通せば視覚情報のみでわかりますが、声はそれができません。そこで、あなたの話し声を録音して聞いてみるのです。

僕はこれを対面で話すときと電話での会話と両方で経験したことがあります。おしくも相手は同じ人でした。

本来の録音の目的はタフなネゴシエーションにこれ以上行き違いが発生してはならない状況であったため、相手の了解を得た上で今後のやりとりは録音する方法をとったのですが、自分の声を聞くことができるという思わぬ副産物を得ることができました。

文書に書き落とす、その時の状況を思い出すなど何度も録音を聞きました。聞き始めに感じたことは、自分の声を改めて聞いてみることに対する恥じらいです。普段は声を出すと同時に体全体で感じ取っている自分の声を、声という音だけにして聞くことになぜか抵抗がありました。次に感じたことは、これは本当に自分の声なのだろうか?という違和感です。それぐらい自分の理解しているつもりの声と録音された声に違いがあり、違和感以上に気持ち悪さを感じました。

タフなネゴシエーションというシチュエーションでしたので、様々な声を聞くことができました。相手の反応に緊張しているときの声、こちらの主張を押しているときの声、お互いに認識している事実を交換しているときの声。刻一刻と変化する状況に応じた自分の声をつぶさに確認することができました。

これと同じことが、今電話の相手の耳に入っている

電話で相手にどのように聞こえているか、残念ながら現在進行中の通話において、あなたの声を冷静に聞くことはできません。それはイコール、相手にどのようにあなたの声が耳に入っているのかわからないことです。相手に聞き取りやすく話をしているつもりでも、想像以上に早く話していて聞き取りにくい、声のトーンに落ち着きがないといった状況をひょっとしたら作り出しているかもしれないのです。ここに、電話におけるトラブルが発生する大きな要因があるのではないでしょうか。

1度あなたの声を録音してみてください。僕はICレコーダーを使用しましたが、スマートフォンがあれば録音は今すぐにでもできます。僕が自分の声を聞いたときに感じたように、あえて録音することに恥じらいも感じるでしょうし、聞くときにも同様な感情が浮かび上がるでしょう。しかし、誰もが自分の顔を見ることができないように、自分の声を聞くことはできないのですから、相手の耳に自分の声がどのように入っているのか録音して聞いてみるのは、人に見られると恥ずかしいけどあたりまえにやっているお肌の手入れと同じように、普段から気にしておく必要があると思います。

話のついでに…

電話でのやりとりで「お調べして後ほどお電話いたしますので、電話番号をお願いいたします」ということは普通にありますよね。何度か経験したのですがそう伺うと「電話番号はそっちに出てるだろっ!」といわれて怒りを買ったことがあります。携帯電話で相手の番号が出ることがあたりまえになっているからなのか、電話番号を聞くことすらトラブルに発展しかねないものです。

(これを初めて経験したときは「えっ、電話番号が出ているってどういうことですか?」と聞き返して炎上したことも、添えておきましょう(笑。)

 

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